ボラセンのつぶやき

研究室歴代トップクラスの先輩が大手企業を1年で辞める話

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From: ボラセン
 
さすがに驚いた。 
まさかこんなに早く辞めるとは。
 
 
僕の研究室には、伝説の先輩がいる。
その中でも特にトップクラスの先輩、Kさんの話。
 
 
突然だが、論文には「共著」というものがある。
一緒に書いたという意味以外に、特に元となった理論や考え方を用いている場合には「共著」として名前を掲載する。
 
Kさんは、卒業してから1年経っているが、
未だに多くの後輩がその理論を使っていて、卒業してからも共著として名前が載る(もちろん、実績が積み上がっている)
 
かくいう僕の研究でもかなりお世話になっていて、
実際かなり乗っかっているところがある。笑
 
 
Kさんは本当にトップクラスの先輩
だから、就活だって普通に大手企業に内定し入社した。
 
 
それでも、たった1年で辞めることになった。
 

この手の話には2つの視点がある

僕の身近でこんなことが起こるとは思わなかったが、
この手の話は良くあると思う。
 
だが、
自分の身近で起きたからこそ、
僕にはこの1つの事実が2つの視点から見えたのだ。
 
 
1つ目は、大手が今ヤバいということ。
こんなに優秀な働き手から、簡単に離れられてしまうことの問題点を
企業側がどこまで理解しているのだろうか?
 
そして、2つ目は先輩の決断力だ。
安定した大手の道を1年で辞める決断はなかなかできない。
普通は「3年続ける」という謎の風潮を信じて動けないことが多い。
 
 
1つずつ見てみよう。
 
 

優秀な働き手にアッサリと辞められてしまう大手の現状

この界隈に近い環境にいるからだろうか。
大手にいる現場社員の声がよく聞こえてくる。
 
 
例えば、某大手自動車会社のト◯タ
現在、売上No.1の会社だ。さぞ良い会社と思われているだろう。
 
 
しかし、この会社は我々界隈では「売上至上主義企業」として悪名が高い。
 
入社面談で、ある2人が居たとする。
Aさんは小さい頃から自動車が大好きで、いつもどんな車を作ろうかと考えている人だ。寝ても覚めても自動車のことを考えているガチ技術者だ。
一方、Bさんは自動車のことは別に好きじゃない。適当に研究室を選び、なんとなくその会社を選んだ。ただ、奴隷素質があるというか、言われたことはちゃんとやる。そのアピールもした。
 
もしどちらか一方を採るなら、どちらを採るだろうか?
普通に考えれば、Aさんが欲しくなる。頼りになるし、一緒に働きたいなって素直に思う。
 
 
しかし、ト◯タではBさんを採る。
理由は、Aさんのこだわりが邪魔だからだ。
 
個性は要らない。奴隷を何人集めるか。「誰が」というのを極力排除する。
 
自動車の外見だけ一部の人間で考える。
技術者が心血を注ぎたいエンジン部分はほとんどの車種で使い回し。
違うエンジンを作る場合は、ヤ◯ハ発動機に外注。オリジナルでは作らない。
 
 
こんな会社が、売上No.1なのだ。
みんなが入りたい大手企業の、現場社員から聞こえてくる真実である。
 
 
Kさんの会社は実際ト◯タではない。
しかし、似たようなことが大手企業でやられていることは、この界隈ではもはや常識。
 
そんな没個性を求められる企業に、優秀な学生はリクルーターによってリクルートされていく。ハンティングされていく。
 
 
しかし、そんな企業からは当たり前のように人が流出する。
しかも特に優秀な働き手から順に居なくなる。
残り物が会社に残る。
だからまた、優秀な学生を騙して入れる。
・・・
・・・
・・・
 
その繰り返しである。
正直、もう限界が近い。
 
 
 
そして、僕がもう一つ思ったこと。
 

先輩の決断力に、脱帽した。

正直、すごい。
働いてわずか1年で決断できるなんて。
 
 
僕の大学は特に安定志向・大手志向・企業ブランド志向が強い。
 
別に僕は大手よ破滅せよとかそんなことは毛頭思っていない。むしろ大手大好きw

ただ、ここが違う。
色々なことを考えた末に、人生戦略として大手を選ぶのはとても良いことだと思う。
しかし、何も考えず適当にor親に言われて大手に行こうとする学生が多い。
 
まあ、マジョリティーはそりゃそうなんだが。
 
 
しかも、冒頭にも書いたが日本には謎の「取り敢えず3年我慢」することが大切だという信仰がはびこっている。
大抵の場合はなんとなくリスクを恐れて、なんとなく決断を遅らせている。
 
だが、そんなの逆に怖すぎるだろ。
少ない自分の人生の3年を棒に振るなんて、奴隷じゃないんだから・・・
 
 
・・・なんて、頭では思って居ても、普通は決断ができない。偉そうなことをブログに書き連ねているが、僕なら決断出来ていたか正直疑問だ。適当に言い訳して、ウダウダしそうな気がしてしまう。
 
 
だからこそ、その先輩の決断力に尊敬の念を覚えてしまった。
普通はそんなことできない。
 
 
「本当の意味で優秀なんだな」って思ったのだ。
 
 

だからこそ、僕は先輩を心から応援したい

ちなみに先輩は修士を卒業していて、現在社会人ドクター2年目として籍を置いている。
なので、来月から専業のドクターとして研究室に来ることになっている。
 
 
僕は、心から応援したい。
先輩が今後どんな人生を歩むのかはわからないけど、絶対により良い人生を送ってほしい。
そういう優秀で決断力のある人に、楽しい生き方をしてほしいのだ。
 
それは、僕がそういう人に憧れているからかもしれない。
自分がいざという時、そんな道を選べるか自信が無いからかもしれない。
 
 
身近にそんな人がいて良かった。
とことん僕は人に恵まれている。
 
そんな人を傍目で見ながら、今日もニヤニヤと過ごす。
全ての勇気ある人に幸あれ。
 
 
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