ボラセンのつぶやき

彫刻君がそれでも選んだ、"勝負"の世界<ボラセンが面白い人に会う旅第1弾②>

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From: ボラセン

 

前回のブログで、

彫刻家志望の同級生に会った話をしました。

 

borasen.hatenablog.com

 

今回の面白い奴に会う旅(旅と言いつつ場所は電車で40分 笑)では

こんなことを目的にしていました。

 

聞きたかったこと

・彫刻の世界はどんな感じなのか?(マーケティング視点)

・なぜ彫刻君がその世界に入ろうと思ったのか?(キャリア視点)

 

前回の記事では彫刻家を支える仕組みについてレポートしました。

 

今日は、

なぜ彫刻君が彫刻家を目指そうとしたのか?

なぜその道を選んだのか?

その話からしていこうかなと思います。

 

今回はかなりエッセー調。

の予定。笑

 

 

一般的な理系大学生の進路

前回の復習。

復習っていうのもおかしいけどw

 

僕と彫刻君は同じ大学・同じ学部学科・同じ学年。

4年間、普通の理系学生として過ごしてきました。

 

まあ普通と言いつつ、就職はぶっちゃけ謎に良い。

企業からの学科指定推薦が就職希望者の7倍くらい来る。

サークルとバイトばかりやっていた(別に可愛いわけでもない)女子がサラッとJR東日本に内定するし、

留年してしかも女遊びばかりしていた2個上の兄さん(学年は同じ 笑)が三菱重工に内定する。

 

確かに勉強は結構大変だった。

でも、その見返りは一般的にはかなりでかい。

 

だから、基本的には安泰。

多くの人はこんな進路をとる。

 

・大手企業のエンジニア

・国家公務員or都道府県庁公務員

・教師職

 

 

僕の疑問はそこ。

 

なぜ彫刻君は、

この安泰の道を捨てていばらの世界に進んだのか?

 

なぜ彫刻君は、

その世界に進む決断ができたのか?

 

 

安定こそが怖かった。俺は生まれて"初めて"勝負に出る。

彫刻君は東京都出身。現在も実家住み。

生まれてこの方、平凡に人生を選択してきたらしい。

 

わりと勉強できる方だった彫刻氏は、

ある程度の進路を選択し続けました。

 

めっちゃ勉強してトップ校に行こうとか、

他の一芸で勝負だとか、

関東から出てみようとか、

そういうことはしてこなかったそうです。

 

 

そんな風にしてなんとなく大学も通っていた。

大学3年まで、それはそれは平凡に過ごしていたらしい。

 

 

彼は、しかし、

そんな感じで大人になっていくのが怖くなったとのこと。

 

「こうやって無難に人生を過ごして、

そして無難に死んでいくんだろうか。」

 

確かに、

大企業のサラリーマンになったり

公務員として働いて安定した生活を送るのが悪いとは思わない。

普通はそっちを選ぶ。

 

でも、それでいいんだろうか。

 

そう思うと、ある種の恐怖を感じたらしい。

 

 

「俺は今まで1度も"勝負"をしたことがない。」

 

彼と話した1時間強で、最も印象に残った言葉です。

僕とは目を合わさず、静かにつぶやいた一言でした。

 

無難に生きることに疑問を持った、いや、

疑問を持ってしまった彼が初めて選択を迫られました。

 

 

本来、彼は周りを気にしないタイプである

大学1年生の頃、

実は僕は彼と同じ授業を取っていました。

 

第二外国語の授業、しかも自分含めてわずか受講者6人 笑

僕は授業中に講師に話し掛けまくって大爆笑しているという

今とあまり変わらないスタイルw

僕は彫刻君以外の4人を巻き込んで、しょっちゅう授業を脱線させていた。

(なのにテストではぶっちぎりの1番。これはただの自慢。笑)

 

でも、彫刻君は一人だけ浮いている。

誰とも喋らない。何も反応しない。

まあ確かに多少静かな子と考えることはできたが、

それにしてもっていう感じでした。

 

 

気になると行動力が生まれる僕は

本人は覚えていないだろうが、

僕は彼に授業後付きまとったことがある 笑

 

ただの直感だけど、

何か面白いことしそうな予感がした。

 

しかし、彫刻家になろうとしたのはこの時から2年後。

まだ、面白いことする予備軍だった。

 

 

当時の僕は、近い年齢の人には尖り気味だった。

東京で勝負しにきているという感覚がそっち方面に働いていた。

だから、彼にも直球で聞いた。

 

確か、

「何でこの大学来たの?どうせ周りの空気に流されたんでしょ?」

的なことを言い放った記憶がある 笑

 

先日会った感じだと彫刻氏は覚えていないっぽい。

よかったよかった。

世の中には忘れるべきことがある。そうだそうだ。僕も忘れよう。

 

 

まあ、ただ当時僕が思っていたことは当たらずとも遠からずや、

 

彼自身は理系には確かに興味はあったが、

でも進路選択は結構流れに乗った感があったらしいです。

 

今となっては、そりゃそうだよねって感じですよね。

だって、理系大学の新卒で彫刻家の弟子になるんですから。笑

 

 

覚悟のある人間の強さ

彫刻はもともと趣味でやっていたくらいで、

そんなにガッツリとやっていたわけではないそうです。

 

なので、本格的にスタートするのはこれから。

僕から見ると、進路選択も少し感情が入った選択に思えました。

 

 

しかし、何故だかわからないけど、

僕は彼を応援したくなりました。

 

 

それは、

ある1点では僕の怖いもの見たさ的な好奇心があるのかもしれないし、

こんな知り合いがいるんだよという僕のストックになるという気持ちも正直否定できない。

 

でも、恐らく僕が応援したくなったのは、

彼に覚悟があるからだと思います。

 

成功するのかはわからないけど、

少なくとも彼には覚悟が見える。

 

彫刻家として成功するかどうかという意味ではわからないけど

彼はきっと人生としては成功するのではないだろうか。

僕はかなりの確信があります。

 

彼の今までの人生と今回の選択を見ると、

今回がよりベターな選択となった気がしていて、

 

それが彼にとっては彫刻家志望だったのでは、と。

 

 

 

「また、お互いの休暇に近況を報告し合おう!」

そんな約束をしました。

 

僕は彫刻君を応援します。

彼の旅もまた、始まったばかりです。

 

 

 

P.S.

※僕の学科は学年160人ほどしかいないため、個人が特定されるかもしれません。

なので、会社名などの固有名詞は若干変えています。が、基本的に実話です。